印刷用紙の前にそもそも「紙」とは?
印刷用紙うんぬん以前にそもそも「紙」とはどういうものなのか?お伝えいたしますと、JIS(日本工業規格)の定義によれば、紙とは「植物繊維、その他の繊維を膠着(こうちゃく)させて製造したもの」とあります。 つまり、繊維を固めたものが紙なんですね。繊維を水などで分散させ、網などで漉きとって作られます。これは和紙などの手漉きも、機械で製造するのも構造は同じです。
印刷用紙が属するのは「洋紙」
その「紙」は、経済産業省の基準によると大きく分けて以下の3つに分類されます。
<和紙>
コウゾ、ガンピ、ミツマタなどの原料を使って、和紙の持つ適度な遮光性や通気性をうまく利用し、障子やふすまなど多岐にわたり利用した紙のこと
<洋紙>
針葉樹や広葉樹などの木材をを原料としたパルプから機械を使って製造した紙のことを言います。 洋紙の分類は、
1.新聞巻き取り紙:新聞
2.印刷用紙:カタログ、パンフレット、チラシ、ハガキなど
3.情報用紙:複写式用紙など
4.包装用紙:封筒、手提げ袋、お土産用などで使う包装紙など
5.衛生用紙:ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、おむつなど
6.雑種紙:紙皿、紙コップ、トレーシングペーパーなど
に分類されます。
<板紙>
紙の中でも分厚いものをさし、段ボールやギフト用の箱などをことを言います。
印刷用紙の中で知っておくべきは3種類
紙には様々な種類があるのがわかりましたが、世に出回っている印刷物の多くは、オフセット印刷方式で製造されたものです。その際に使用する用紙は上記の「洋紙」に分類されています。印刷用紙のおおよその定義としては「一般の印刷会社で印刷され,印刷物として見たり読んだりすることが主要目的である紙(※)」とされていています。
(※出典:株式会社平凡社世界大百科事典 第2版)
その中でまず知っておくべき印刷用紙の種類は「上質紙」「コート紙」「マットコート紙」の3種類です。
<コート紙>
上質紙の表面に塗料を塗布した用紙のことを塗工紙と言います。これがいわゆる「コート紙」です(アート紙というものもあるので、厳密には違いますが、ここでは割愛します)。特徴としては色鮮やかで発色が良く、再現性の高い仕上りになることです。写真やイラストが多い印刷物に適していると言えます。また発色が良いので、色合いが商品やサービスのイメージを左右するものにコート紙はオススメです。例えば、食品やアパレルなどが該当します。その一方で、触った感触がつるつるしているので筆記性に欠けます。鉛筆やボールペンでの書き込みは不向きとなります。
<マットコート紙>
マットコート紙は「塗工紙」に分類されますが、その中でもツヤ消しをされたものを言います。光沢度合いを抑えたのがマットコート紙です。コート紙より光沢を抑えているため、落ち着いた印象を与えられます。文字を読んでいても反射が抑えられている分、読みやすいです。そのため、カタログや会社案内、学校案内など、読み物に使用される傾向があります。写真と文字の混在にも適しており、文字の書き込みも大丈夫です。
<上質紙>
上質紙は前述の2つとは異なり、非塗工紙に分類されます。触った感触としてはザラザラとした質感で、コーティング(塗工)されていないので、書き込みを目的とした印刷物に適しています。申込用紙や返信ハガキなどが代表例です。色の印象は落ち着きがあり、ナチュラルな仕上りになります。オーガニック風やアンティーク調などにも適しています。
その他の印刷用紙の種類
- アート紙
- 再生紙
- 微塗工紙
- 色上質紙
※尚、コピー用紙は薄葉印刷用紙に属し「非塗工紙」になります。
まとめ
弊社はこれまでに多くの印刷物を手がけてまいりました。その中には、申込書や封筒がついたリーフレットや糊綴じなど特殊な印刷アイテムも多数ございます。だからこそ、用紙と印刷加工の相性を熟知しております。その実績をもとにお客様のご要望に合わせて最適な用紙をご提案いたします。印刷でお困りの際には、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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